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AngularJSでのバリデーションの基本

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この記事は、AngularJS Advent Calendar 2014 - Adventar の19日目の記事となります。前日は、@albatrosaryさんのYEOMANにあるAngularJS関連ジェネレータをご紹介します - albatrosary's blogです。YEOMANのジェネレータしか使ってこなかったので、他のも触って違いを感じてみたいです。

今日は、AngularJSの基本的なバリデーションの話です。AngularJSの初心者向けの記事になります。最近、仕事でもAngularJSを触り始めているので、少しずつノウハウを公開していきたいと思います。 AngularJSはバリデーション周りで便利な仕組みが色々と用意されていますが、それを拾い集めるのがなかなか大変なため、基本的なことをまとめてみました。

前提

環境

  • AngularJS 1.3

やりたいこと

  • メールアドレスが必須 & 形式 & 文字数チェック
  • フォーカスが外れたら、バリデーションエラー表示
  • Submitボタンはバリデーションエラーの場合は、非活性

DEMO

Plunker

バリデーション方法

準備(form要素とng-model)

バリデーションするにはform要素で囲み、name属性を指定する必要があります。 form要素もdirectiveになっており、ng-formを指定しても構いません。

<form name="userForm" novalidate>
</form>

novalidate属性も追加していますが、これはブラウザによるHTML5のバリデーションと、 AngularJSのバリデーションが同時に実施されてしまうことを避けるために、ブラウザのバリデーションを無効にしています。

バリデーションするinput要素も用意しましょう。name/ng-modelを指定する必要があります。 ng-modelはデータバインディングだけでなく、バリデーションするためにも必要です。

<input type="email" name="email" ng-model="email">

バリデーションする

AngularJSのバリデーションは、基本的にinputなど入力要素に属性を追加していきます。 デフォルトでtextだとng-required(required), ng-pattern, ng-minlength, ng-maxlength等が使えます。 AngularJS: API: input[text]

<input type="email" name="email" ng-model="email" required ng-maxlength="20">

必須チェックと最大文字数チェックを追加すると↑の様になります。 標準で用意されているバリデーション以外のチェックをしたい場合にも、基本的にチェック用のdirectiveを用意して属性に指定していきます。

エラーの表示

どのバリデーションでエラーになったかを、formのname属性.inputのname属性.$errorで、参照できます。

# エラー内容を出力
{{ userForm.email.$error }}
# 出力内容
{"required":true,"maxlength":true}

バリデーションの種類に合わせて、エラーメッセージを出力しましょう。

<span ng-show="userForm.email.$error.required">入力してください</span>
<span ng-show="userForm.email.$error.maxlength">もっと短くして</span>

複数のバリデーションをかけた場合、ng-showの条件が冗長になったり、エラーは最初の1つだけ表示したい場合、条件が複雑になってしまいます。 そのため、エラー表示にはngMessagesを使うと便利です(AngularJS: API: ngMessages)

<div ng-messages="userForm.email.$error" multiple>
  <div ng-message="required">入力してください</div>
  <div ng-message="maxlength">もっと短くして</div>
</div>

さてここで、scopeに何もsetしていないのに、突然userForm.email.$errorを使うことが出来ています。 まず、userFormを使うことができるおは、form directiveにname属性を指定すると、form directiveのcontroller(FormController)が、current scopeに設定されるためです(AngularJS: API: form) userForm.emailが突然使えるのも、同じような仕組みです。 ng-model directiveを使うと、ng-model directiveのcontroller(NgModelController)が、親のformに設定されるのです。(AngularJS: API: ngModel)

エラー表示タイミング

エラーは表示できましたが、まだ常にエラーメッセージが表示されている状態です。 例えば、フォーカスが外れたタイミングで、バリデーションしてエラーを表示するためには、どうすればいいでしょうか。

AngularJSでは、バリデーションするタイミングを変えるのではなく、エラー表示のタイミングを変える考え方になります。入力項目がvalidかinvalidか(どのバリデーションでエラーになっているか)は、常に保持されているので、出したいタイミングで出してあげます。例えば、以下のようなタイミングで表示できます。

  • 常に出す
  • focusが外れたら出す
  • 値が変更されたら出す
  • submitが押されたら出す

表示する or しないの制御には、ng-if or ng-showで制御します。

<div ng-messages="userForm.email.$error" ng-if="userForm.email.$touched && userForm.$submitted">
..
</div>

この条件に使うための便利なプロパティをAngularJSは用意してくれています

NgModelControllerのProperty

それぞれの入力項目ごとに、以下のpropertyを使えます

| Property | Description | | --- | --- | | $touched | 一度でもfocusされた | | $untouched | 一度もfocusされていない($touchedの逆) | | $dirty | 一度でも値を変更した | | $pristine | 一度も値を変更されていない($dirtyの逆) | | $valid | inputの値が正しい | | $invalid | inputの値が誤っている($validの逆) |

<div ng-messages="userForm.email.$error" ng-if="userForm.email.$touched">
..
</div>

FormControllerのProperty

それぞれの入力項目での条件は、上記のNgModelControllerのpropertyを参照すればいいのですが、 submitボタンが押されたとき等、Form全体に関係するものは、FormControllerのpropertyに用意されています。

| Property | Description | | --- | --- | | $dirty | form内のinputを一度でも変更した | | $pristine | form内のinputが全て変更されていない | | $valid | form内のinputが全てvalid | | $invalid | form内のinputにinvalidがある | | $submitted | formがsubmitされた |

<div ng-messages="userForm.email.$error" ng-if="userForm.$submitted">
..
</div>

これらのPropertyは、エラーの表示条件だけでなく、submitボタンの活性非活性の条件などにも使うと便利です。

まとめ

AngularJSは、今回紹介したFormControllerのpropertyなど、便利なものを標準で提供してくれていて、簡単にバリデーションを実装できます。今回紹介しませんでしたが、propertyと同じようなclass属性も設定してくれるため、デザインを当てる際にも活用できるかと思います。

バリデーションの仕組みが、最初から用意されているのもAngularJSの一つの強みです。これを利用して便利なフォームを作っていきましょう。